【ハーレムの闘う本屋】
ヴォーンダ・ミショー・ネルソン/著
R・グレゴリー・クリスティ/イラスト
原田 勝/翻訳
(版元サイトより)
ニューヨークのハーレムに、一風変わった書店がありました。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。
黒人に関する本ばかりを扱う書店、通称「ミショーの店」。
本書は、この店の店主、ルイス・ミショーに光をあてたドキュメンタリー・ノベルです。
1939年、「黒人は本を読まない」と言われていた時代に、店をオープン。
「知識こそ力」と信じていたミショーは、まずは人々の意識を目覚めさせることからと、型破りなプロモーションを展開します。そのうち、本のおもしろさ、知識の大切さを知った人が、ミショーを慕って集うようになり、ついには、全米一の黒人専門書店に!
開店当初5冊だった在庫は、古書にも目をくばったミショーの情熱により、1974年の閉店時には、22万5千冊にもなっていたそうです。
これは、地方都市の図書館に匹敵する在庫数です。
顧客には、ラングストン・ヒューズや、ルイ・アームストロング、マルコムXも!
マルコムXはミショーの店の前でたびたび演説をしており、写真も掲載されています(107ページ)。
ミショー自身は著書をのこしていませんが、彼の生き方は、「人が、誇りをもって生きるために必要なことは何か」を教えてくれます。
そして、本は、人を変える力をもっていること。
一人の人の信念は、人から人へと波及し、後世まで支える柱となりうることも。
日々、予想を超えたことが起こり驚くばかりですが、自分の無知を知ったときこそ「学び」のとき。
ミショーの「知識こそ力」という信念を実感するとともに、書店は、だれもが気軽に立ち寄れる「学校」であることに、あらためて気づきました。
リアル書店を取り巻く状況がきびしい今だからこそ、多くの人に手にとってもらいたい1冊です。
古本-良い
全体的にきれいな状態です。
カバー上部に少ヨレあり。
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