心の壊し方日記
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心の壊し方日記
2018年のクリスマスの夜、黒猫を飼いはじめた真魚のもとに10歳違いの兄の訃報が届いた。8年ぶりに疎遠だった実家に戻るとそこはゴミ屋敷となっていた――。
これは彼女だけの物語そしてわたしたちの人生にも共通する話
――植本一子
【本文より】
長文のファックスが届いた。〈中略〉「金属バットで家族を皆殺しにしようと思ったこともあります」などと書かれていた。
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舅と嫁が言い争いになることはあったとしても、大声をあげて怒鳴りあうのは珍しいと思う。そのうち兄との関係も険悪になっていき、母から電話で聞いたところでは、兄嫁は家の中ですら兄を避けるようになったらしい。台所で兄がいるテーブルを迂回して歩くなど、露骨な嫌悪感を示していたようだ。
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もし自殺未遂で呆れた夫に離縁されるようなことがあっても、下町の風呂なしの3万くらいの部屋で慎ましく暮らしていけばいい。ゴキブリや変質者が出るかもしれないけれど、そこでも何かしら楽しみは見つけられるだろう。お笑い番組を見ながら、ルマンド3本をつまみに焼酎をコップ1杯チビチビ飲むとか。
新刊で入荷しています。
四六判・200ページ
左右社


